採用手法の選び方で成果は変わる|不動産会社向け完全ガイド
公開日:2026年5月27日
採用手法や媒体、なんとなくで選んでいませんか?
- 大手だから
- 価格が安いから
- 営業から提案を受けたから
実際、こうした基準で選定している企業様は少なくありません。
特に、リファーラル中心だった企業や、初めて本格的に採用を行う企業ほど、この傾向が強く見られます。
結論として、採用手法に「正解」はありません。目的や置かれている状況によって、選ぶべき手法が大きく変わります。
加えて、入口となる手法の選定がズレている状態では、どれだけ打ち手を重ねても、成果へのインパクトは限定的になります。
そこで本記事では、中途採用にフォーカスし、
- どのような採用手法があるのか
- それぞれの特徴とコストイメージ
- 自社に合った選定基準
について整理していきます。
①求人広告型(0~200万円)

求人媒体に自社の募集情報を掲載し、応募を獲得する最も一般的な採用手法です。
近年では、Indeedやエンゲージなど無料媒体の認知も高まり、採用活動の初期フェーズで導入する企業も増えています。
メリット
① 幅広い求職者にアプローチできる
求人媒体に掲載することで、転職活動中の顕在層に対して広く求人情報を届けることができます。特に、職種や勤務地、給与条件などで求人を探している求職者と接点を持ちやすく、一定数の応募を集めやすい点が特徴です。
② 採用人数が増えるほど費用対効果が高まりやすい
掲載期間中であれば、複数名採用しても基本的に掲載費用は変わらないため、採用人数が増えるほど1名あたりの採用単価を抑えやすくなります。複数名採用や継続的な採用を行う場合には、有効な手法となります。
デメリット
① 応募数・応募の質をコントロールしづらい
求人広告は、掲載後に応募を待つ手法であるため、必ずしも求める人物像から応募が来るとは限りません。応募数が少ない場合もあれば、要件と合わない応募が増える場合もあり、採用成果が媒体や求人内容、掲載プラン、競合状況に左右されやすい点があります。
②掲載費用が先行して発生する
求人広告は掲載課金型の場合、採用できるかどうかに関わらず費用が発生します。
そのため、応募や採用につながらなかった場合でもコストがかかる点には注意が必要です
求人広告型は、幅広い求職者に求人情報を届け、母集団形成を行ううえで有効な手法です。
特に、複数名採用を予定している場合や、ターゲット属性が比較的広い場合に効果を発揮しやすくなります。また、給与・休日・働き方など、相場よりも明確に良い条件がある場合は、求人上で魅力を打ち出しやすく、応募獲得につながりやすくなります。
一方で、即効性には限界があるため、採用までに一定の時間的余裕がある場合に適しています。そのため、求人広告を活用する際は、単に掲載するだけでなく、「誰に向けた求人か」「他社と比べて何が魅力か」を明確にし、原稿内容を継続的に改善することが重要です。
②ダイレクトリクルーティング型(50~200万円)

企業側から候補者に直接アプローチし、採用につなげる手法です。
近年は、採用市場における人材不足を背景に注目度が高まっており、マイナビの中途採用状況調査でも、ダイレクトリクルーティングの利用率は3年連続で増加傾向にあるとされています。
メリット
① ターゲット層に特別感を持ってアプローチできる
候補者の経歴や志向性に応じて訴求内容を調整できるため、相手が重視する価値観に合わせて魅力を伝えることができます。また、一部選考免除や条件面の個別提示などを組み合わせることで特別感を持たせ、応募意欲を高めることが可能です。
② 応募ハードルを下げやすい
企業側から声をかけるため、候補者にとっては「まず話を聞いてみる」という入口をつくりやすくなります。そのため、通常応募では接点を持ちにくい層とも面談につなげやすく、会ってから魅力付けを行える点がメリットです。
デメリット
① 運用工数が大きい
候補者検索、スカウト送付、返信対応、効果検証などを継続的に行う必要があるため、一定の運用工数が発生します。特に、候補者ごとに訴求内容を変える場合は、質を高めるほど時間もかかるため、工数と効果のバランスを見ながら運用する必要があります。
② 成果が出るまでに改善が必要
候補者は複数社からスカウトを受け取っているため、ただ送るだけでは返信につながりません。ターゲット設定、訴求内容、送付タイミング、求人内容などを検証しながら、返信率・面談化率を高めていく必要があります。
ダイレクトリクルーティング型は、まさに求める人材に対して「狙い撃ち」ができる採用手法です。一方で、成果を出すためには、ペルソナ設計や候補者への魅力付け、スカウト文面の改善など、高度な運用が求められます。ただし、これらの運用を通じて身につくノウハウは、求人掲載やエージェント対応、面接での魅力付けにも応用できます。そのため、単なる母集団形成の手段ではなく、企業の採用力そのものを高める資産になり得る手法です。
③エージェント運用(150〜200万円)

人材紹介会社(エージェント)を通じて候補者の紹介を受け、採用を行う手法です。
メリット
① 自社工数を大幅に削減できる
候補者の集客、スクリーニング、日程調整、フォローまで一連のプロセスをエージェントが担うため、自社の採用工数を大きく削減できます。特にリソースが限られている企業にとっては有効な手法です。
② スピード感をもって母集団形成ができる
転職意欲の高い求職者をすでに抱えているため、依頼後すぐに紹介が始まり、短期間で母集団を形成することが可能です。緊急度の高い採用において効果を発揮します。
③ 採用決定までコストが発生しない
基本的には成功報酬型のため、入社するまで費用が発生しません。
初期コストを抑えながら採用活動をスタートできる点がメリットです。
デメリット
① 採用単価が高い
成功報酬として、理論年収の30〜40%程度が相場となるため、採用単価が高くなりやすい点が課題です。特に固定給(基本給+手当)が厚い有場合は、理論年収が高くなるため注意が必要です。
② ノウハウが蓄積されない(再現性がない)
採用プロセスを外部に依存する構造となるため、自社内にノウハウが蓄積されにくく、再現性のある採用活動を構築しづらい点があります。結果として、エージェントに依存し続ける状態になり、採用単価の改善が難しくなります。
エージェント運用は、短期間で採用数を確保したい場合や、緊急度の高いポジションにおいて有効な手法です。一方で、コストや外部依存の側面があるため、他の採用手法と組み合わせながら活用することが前提となります。
また、エージェント自身にも成果責任があるため、成約につながりやすい企業に優先的にリソースを配分するのは当然です。したがって、紹介数を最大化するためには、選考スピードや内定率、企業の魅力など、積極的に情報を開示し、候補者に提案しやすいだけでなく、「提案したい」と思われる状態をつくることが重要です。
④SNS運用(0円~)

SNSアカウントを通して、情報を発信し採用につなげる手法です。発信内容の自由度が高く、企画や見せ方次第で他社との差別化が可能です。
基本的には低コストで運用でき、広告も少額から調整可能なうえ、発信したコンテンツはすべて企業の資産として蓄積されるため、中長期的に採用効果を高めていくことができます。
メリット
① 潜在層に継続的にアプローチできる
SNSは、まだ転職を検討していない潜在層にもリーチできる点が特徴です。
そのため、採用市場に出る前の段階から企業理解を促進でき、いざ転職を検討したタイミングで「想起される企業」になりやすく、応募への転換率向上につながります。
② 企業のリアルな魅力を伝えられる
求人票では伝えきれない「働く人」「職場の雰囲気」「仕事の裏側」などの定性的な情報を発信できるため、入社後のイメージを具体的に持ってもらいやすくなります。
その結果、志望度の高い応募につながりやすく、ミスマッチの低減にも寄与します。
デメリット
① 成果が出るまで時間がかかる
一本の動画コンテンツを作成するのに、フォロワーの獲得や認知の醸成には一定の期間が必要であり、短期的に採用数を確保したいケースには向きません。即効性のある手法ではないため、中長期視点での運用が前提となります。
② 属人化・継続性のリスク
特定の担当者や委託先に依存すると、異動や退職によって運用が止まるリスクがあります。
また、投稿の質や頻度が安定しない場合、成果に直結しづらくなるため、社内で継続的に運用できる体制構築が重要です。
SNS運用は、「今すぐ採用するための手法」ではなく、採用したい人材から「選ばれる状態」をつくるための手法です。
そのため、短期の採用は他手法で補いながら、中長期で効いてくる「土台」として設計・運用することが重要です。
求める人物像を明確にしたうえで、単なる情報発信ではなく、採用成果に直結する“戦略”として捉えることが、成果を分けるポイントとなります。
⑤リファーラル採用(0〜20万円)

既存メンバーや知人からの紹介を通じて採用する手法です。
メリット
① マッチ度の高い人材に出会いやすい
企業理解のある社員や関係者からの紹介を前提とするため、カルチャーや価値観、志向性が事前に共有された状態で選考に進みます。その結果、現メンバーと近い人物像になりやすく、入社後のミスマッチが起こりにくい点が特徴です。
② 通常の採用市場では出会えない人材にアプローチできる
転職市場に出ていない潜在層にもリーチできるため、一般的な求人媒体や人材紹介では出会いにくい優秀な人材と接点を持つことが可能です。
また、媒体を介さないため、採用コストを抑えながら採用できる点もメリットです。
デメリット
① 採用計画に組み込みづらい
紹介が発生しなければ母集団が形成されないため、採用数やタイミングを計画通りにコントロールすることが難しいことがあげられます。
② 客観的な選考が難しい
紹介者との関係性が前提となるため、選考において無意識のバイアスがかかりやすく、不採用の判断が難しくなる傾向があります。その結果、本来の評価基準での判断がしづらくなり、意思決定に影響が出る可能性があります。
リファーラル採用は、コストやマッチ度の観点では有効な手法である一方、採用のタイミングや人数をコントロールすることができません。
そのため、採用期日や人数が明確に決まっている場合には、他の採用手法と組み合わせて活用する必要があります。
また、紹介は自然に発生するものではないため、既存メンバーに対して採用ポジションや募集背景を共有し、「どのような人物を採用したいのか」を明確にすることが重要です。
こうした設計があって初めて、リファーラル採用は継続的に機能します。
ここまで、代表的な採用手法とその特徴を整理してきました。
なお、本記事でご紹介した内容をまとめた「採用手法・媒体の特徴とコスト感一覧資料」もご用意しております。
各手法を比較しながら検討したい場合は、ぜひご活用ください。
実際の採用現場では、これらの手法を単体で使うのではなく、採用状況に応じて組み合わせながら運用していくケースがほとんどです。
ただし、採用人数・採用時期・求める人物像に応じて、手法を適切に選定し、設計する必要があります。
この設計が曖昧なままでは、どれだけ施策を実行しても、成果につながりにくい状態になってしまいます。
FDDでは、採用基盤の構築から、手法選定・運用改善、さらには入社後の定着率改善まで、採用プロセス全体を一貫して伴走しています。
「どの手法が合っているのか分からない」
「採用はしているが、成果につながっていない」
そのような場合は、今のやり方を続ける前に、一度設計から見直すことをおすすめします。
無料の経営相談も承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。